楽器ミュージアム(パート7)

回擦胡
こちらの記事は古くなっております。2019年現在の最新のものはこちらになっております

これは、2003年初頭から春に掛けて試行錯誤して作った電気擦弦楽器です。
 胡弓ような形をしていますが、弓で弾くのではなく駒(ブリッジ)の近くに回転する円盤があり、それが弦を擦って持続音を出すというものです。円盤の回転機構ですが、ボディ真ん中を横に貫くシャフトをハンドルで回すと、その回転は傘歯車により90度の関係にある別なシャフトに伝わります。そしてそのシャフトには擦弦部である問題の円盤が付いている訳です(写真参照)。

回擦胡演奏ビデオ from Youtube
Within you Without You

Still Life

Dog Life

草原の馬乗り

 円盤で弦を擦って持続音を出す楽器というのは中世ヨーロッパから伝わるハーディーガーディーがお馴染みですが、これはそのハーディーガーディーの発音原理を使いながら胡弓やチェロのように楽器を立てて指板を押さえて演奏するスタイルをとっています。ハーディーガーディーは大正琴のように鍵盤で弦を押さえて音程をとる機構になってますが、この回擦胡はその(ような面倒な(笑))機構はないので、フィンガリングも胡弓やチェロのような感じでやってます。ま、こっちのほうが、ビブラートやポルタメントもかかりますしね。弦は2本張ってあって、一本はメロディ用、もう一本はドローン用という感じがメインですが、場合によっては、上で紹介したビデオにある"Still Life"のように両方の弦を押さえて和音プレイで弾くこともあります。

 
【写真左下】ボディ部アップです。 【写真右下】
 傘歯車で手回しシャフトの回転方向を90°変換してます。右側にアルミ製の回転盤がありますが、これと弦が擦りあって音を出します。なお、円滑な擦弦とその持続の為に、弦の擦られる部分には脱脂綿が巻いてあります。
 ピックアップは自作で、ミシンのボビンに一杯に0.1mmの細い被覆線を巻いたものをコイルとして使ったものです。(丁度ミシンで巻くと早く綺麗に巻けます) このコイルを2個直列に繋ぎ、それぞれの弦に対応させてます。ボビンの中心にボルトをいれ、ボビンの下には平たいフェライト磁石が付いていてピックアップとなってます。このミシンボビンピックアップのアイデアは、こちらのHP(のエレキギターを作ろうのコーナー)を参考にさせていただきました。なかなかいい音で取れますよ、これ。

 


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